えびサブレ

変なオタクの備忘録

キャリブレーション ビジュアル

DisplayCALでプロジェクタを校正する

投稿日:2017-08-01 更新日:

以前の記事

  1. DisplayCAL (+Argyll CMS) 導入メモ
  2. DisplayCAL + i1Pro 操作メモ
  3. DisplayCALでMacBook 12-inchを校正する

環境

  • プロジェクタ: SONY VPL-HW35ES
  • スクリーン: ホワイトマットタイプ
  • キャリブレータ: i1Pro + DisplayCAL 3.3.2

Before & After

プロジェクタの主要な設定項目

  • ランプコントロール: 低
  • 明るさ: 10
  • コントラスト: 80
  • Motionflow > フィルムプロジェクション: 入
  • ガンマ補正: 切
Before

美しい黒が見える。それは、表示できる色の1/6を占める。
After

多くの色が見えるようになった。コントラストがちょっと低い。
Before

ほむら☆マジカこと叛逆の物語である。なお、見滝原市は部分的に停電している模様。
After

映画館で何度も見たアレに近い。近いけどやっぱりだいぶ遠い…コントラスト低い…

なぜプロジェクタのキャリブレーションを行うのか

プロジェクタは環境光の影響を強く受け、校正しないと正確な色を表現できないから。

部屋を暗くしないとキレイに表示できないことはよく知られているが、理由は次の通りだ。

  • プロジェクタは黒を表示するとき、周囲との輝度差を利用して、白いスクリーンを黒く見せている。
  • 部屋が明るい場合、環境光でスクリーン全体の輝度が上昇し、輝度差がわかりづらくなる。
  • 結果、コントラストが低下して暗い色同士の区別がつかなくなる。
  • 余談:専門店のショールームで超キレイだったプロジェクタが、家で見るとそうでもない理由は、ショールームの床と壁にある。

しかし、部屋を映画館のように暗くすることはできない。スクリーンから反射した光が、机や壁など部屋のどこかに当たり、さらに反射を繰り返すので、部屋はどうしてもある程度明るい。Audio/Visualの世界は常に部屋との戦いだ。

Before

押井守監督の最高傑作(※個人の感想です)、イノセンスである。作画への執拗なこだわりが…見えない。
After

普通になった。Beforeも輝度を上げればマシになるが、眩しいので低輝度+キャリブレーションがおすすめ。

そこで、我々には次の選択肢がある。

  1. シアタールームを用意する(大きな部屋に低反射壁紙や暗幕などを導入…)
  2. 評論家のように、勘と経験と文才で良い感じに調整する
  3. 機械に任せる

1番ができる人はこのページを閉じると良い。それ以外の人は2番と3番から選ぶが、今は21世紀だから迷うことは無い。

余談だが、ディスプレイの場合はバックライトが至近距離からパネルに光を当てるため、環境光の影響を受けにくい。店でキレイだと思ったディスプレイは、家でもキレイに映るのだ。(もちろん、多少は影響するので、色を評価する場合の環境光も指定されている。)

DisplayCAL + i1Pro で VPL-HW35ES を校正する

※本記事では動画鑑賞に堪えるレベルまで校正するだけで、正確な色再現性を求める場合は参考にならない。

やり方は以前の記事と同じだからそちらを参照してほしい。プロジェクタの場合に注意が必要な点を書く。

キャリブレータ

  • 影に注意しながら良い感じに固定する。
  • 分光測色計の場合は近距離に置くべき。低輝度が苦手だから、遠いと暗い色がうまく測定できない。私は画面から50cm離れた場所に設置した。

プロジェクタの設定

  • 動的に輝度を調節する機能をオフにする(オートアイリス等)
    • これらの機能を常用している場合はDisplayCALの”Display & instrument”画面で”White level drift compensation”にチェックを入れると多少正確に測定できるかもしれない…
    • 余談:この類の機能はダイナミックコントラストを上げる(白画面と黒画面のコントラストが10000000:1とかになる)が、我々が美しいと感じるのは同じ画面の中にある白と黒のコントラストが高い状態であるため、これらはスペック詐欺にしかならない。数百万する高級プロジェクタはほとんどの場合これらの機能が無い。
  • 白画面の輝度を眩しくない程度にする
    • 校正前に黒がつぶれても気にしなくて良い
    • ガンマ値を微調整するのはアリ
  • 色温度をできるだけ合わせる
    • VPL-HW35ESの場合はゲイン(明るい画面のRGB出力)とバイアス(暗い画面のRGB出力)の両方が変えられる。
    • 残念ながらDisplayCALの対話的設定画面ではゲインしか微調整できない…バイアスは勘で…

私の環境では以下の結果になった。

  • sRGBカバレッジ85%付近
  • 校正前コントラスト250:1
  • 校正後コントラスト100:1?(予想値,測定し忘れた…)

部屋の反射をもっと抑えないといけない…(測定位置はスクリーンに近いため、普段座る位置ではもう少し高いコントラストになりそう。)

まとめ

  • 一般的な環境では、校正していないプロジェクタは色再現性が悪い
  • 職人の勘もしくはキャリブレータを使って良い感じにすべき
  • 本記事では DisplayCAL + i1Pro で VPL-HW35ES を校正した(際の注意点を載せた)

余談だが(書き忘れた)、LCDやLCoSプロジェクタで経年劣化による黄ばみが発生した場合も、これで対応できます。

-キャリブレーション, ビジュアル
-, ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

DisplayCAL + i1Pro 操作メモ

DisplayCALでモニタをキャリブレーションします。

DisplayCALでMacBook 12-inchを校正する

デフォルトのプロファイルはブルーライトカットされていました。

DisplayCAL (+Argyll CMS) 導入メモ

オープンソースのキャリブレーションソフトウェア ( DisplayCAL と Argyll CMS ) を試してみました。使いやすいです。

キャリブレーション適正輝度 (web用)

web用の場合は80-120cd/m^2の間で、いろんな端末で比較して適切な値を探すといいと思います

webmaster

icon
webmaster: えびーむ

Google アナリティクスの統計

アーカイブ

最近のコメント